「製造業で営業をして1年経つけど、思うように実績が上がらない…。この業界で売上を上げる場合のコツなんか教えてほしいな~。」
今回はこんな悩みを解決していきます。
記事の信頼性
この記事を書いているボクは製造業界で3年サラリーマンとして勤めた後に、今は個人事業主として2年以上経過しました。
この製造業界に入ったときは戸惑いが多かったですが、今では自分で商売をしていることもあり毎日が楽しいです。
こんなボクの経験談を参考にしていただけたら幸いです。
製造業の営業マンが乗り越えるべき5つのハードル
- 身につける知識
- 現場とのあつれき
- あらゆるしがらみ
- 収入面での格差
- マルチタスク能力
まずは、今ある壁を乗り越える必要があるので、あえて取り上げました。
今できることとして、改めて見直してみてください。
身につける知識
ここは製品以外に、それに付随する材料や業界知識も含めてです。
当然といえば当然ですが、この知識がないと仕事になりませんから。
新しい業界に入れば学ぶべきことが多いのは言うまでもありませんが、ボクがここで言いたいのは製品や材料以外に工程やその業界での暗黙のルールも対象にしています。
例えば、工程であれば現場で作業者が難しいと感じているところや、〇〇の工数を減らせば効率化できるなど実際に立ち会ってみて気付く部分も多いと思います。
現場とのあつれき
これは製造業界特有のハードルかもしれませんね。
なぜなら、事務職である営業と技術職である生産者とは、根本的に考え方の格差があるから。
具体的に言うと、営業が受注した案件に対して擦り合わせしていたにも関わらず後から不平不満が出てきたり、見積りの時点で必要以上に高い単価設定にして結果的に受注できなかったり等々、数えきれないほどの事例が出てくることでしょう。
ただ、上記でも挙げているように、営業マンから実際現場に入ってお互いの距離を縮める努力も必要ではあります。
あらゆるしがらみ
製造業は古い慣習が残っている業界なので、ここを避けて通ることはできません。
理由は、どの業界であっても流れに乗ることでスムーズに事を運ぶことができるものなので。
ボクは最初は違和感を感じて『何かと面倒くさい業界かも・・・』と思ってましたが、でも数年間続けてみて、逆にこの流れは逆らえない・むしろ利用するべきという風に変わっていきました。
そうすることで、自分の売上も上げられるようになったと思います。
「変えられたくない」「変わりたくない」というのは自分のエゴでもあるので、流れに委ねることで成功することもきっとあります。
収入面での格差
ここを疑問に感じる人も少なくないと思います。
勤務する会社によって違うかもしれませんが、転職組でもそれまでの経験値で決めたりすることがあるから。
これは経験談ですが、ボクが勤めていた会社は特に昇給する指標もなかったり、面接の時点でも自分の経験をもとに金額を決めたりされていたので、『こういう業界なのかな~』と感じたものです。同業でも話を聞いたことはありますが、あまり大差を感じなかったですね。成熟している業界なのに、確立されていないところでもあります。
これを逆手に取れば頑張った分だけ報われるだろうというのもあって、実績を上げて一年経った後には評価されて昇給で10%上がりました。
営業である限り成果主義であることは変わらないと思いますが、会社によっては色濃くなる業界だと思います。
マルチタスク能力
これは営業職なら当然と思われるかもしれませんが、ここで挙げた理由は製造業の仕事量はハンパないからです。
製造業の場合は、大きく分けてメーカーと代理店の2つになると思いますが、どちらかというと代理店を請け負っている会社に入ると激務必須です。
そんなボクも代理店兼メーカー営業だったので、常に仕事に追われている感じでした。
具体的には、代理店営業の場合は常に材料の見積りで、仕入先に問い合わせたり、その材料の情報を集めたりと材料とはいえ侮(あなど)れないというイメージです。
メーカー営業の場合は、(代理店営業と並行して)製作依頼に対して見積りするわけですが、製作可否の確認・材料の情報収集・生産工程の確認・品質管理の確認・外注化も検討などです。正直、メーカーとしての業務内容は、代理店営業とは比にならないほどの業務量です。
ただし、このマルチタスクをこなした先には、賞与や昇給など目に見える成果報酬が待っていることも事実なので頑張れますね。
製造業の営業マンが売上を獲得していく5つのコツ
- コミュニケーション
- 利益面を意識する
- レスポンスの速さ
- パイプは太く長く
- 仕入先の開拓推進
次に、本題の売上獲得に向けてのコツを解説していきます。
コミュニケーション
ここは営業マンとして必須ですが、外部だけでなく内部にも必要です。
やはり、モノづくりの業界にいる限り、生産者とのやり取りは不可欠なので。
ボクの場合、基本的にコミュニケーションを取るのは好きな方なので、社内でも仕事以外のことで会話をする機会は多かったです。
たとえ社内でのコミュニケーションが苦手という人であっても、生産者とのキッカケを作るのは難しくはありません。
なぜなら、こちらから学ぶ姿勢で現場に入らせてもらって、自分の抱えている案件の加工手順を教えてもらえばいいので。
生産者はどちらかと言えば職人さんなので自分から声をかけてくることはほぼないので、営業であるボクたちから低姿勢で行けばきっと心を開いてくれるはずです。
利益面を意識する
利益面を意識するのは営業マンなら当然ですが、あえて挙げました。
なぜなら、大きい売上額だけを追いかけてても、フタを開けたら薄利という営業マンがいるから。
売上が大きいので利益額で見ても大きいのかもしれませんが、ボクからすれば『これだけの労力を使ってるのに、それだけの利益って・・・』と費用対効果が低いことに疑問を感じます。
なので、ボクは基本的に少なくても粗利率30~40%は確保できるように進めています。
ただ、顧客によっては「損して得を取る」ようにしていて、数多くの案件がもらえそうな場合には最初は薄利であっても徐々に利益率を上げていくという風に臨機応変に使い分けたりしています。
これは自分の所属する会社、ひいては自分にも還元されるものなので、案件を獲得するためと安易に設定または(指値があっても)すぐに承諾するのではなく、十分に吟味・交渉した上で設定していきましょう。
レスポンスの速さ
これは営業マンにとって勝敗を分けるポイントにもなるので、押さえておいてください。
ボクの場合は、異業種からこの製造業への転職組だったので、これをすることで他のセールスや同業他社との差別化を図れました。
営業というは既存の仕入先から奪取するため、他よりも抜きん出るためには、誰もがやっていることをしていては成果が上がらない職種です。なので、ボクはこのレスポンスの速さを武器にしました。
例えば、以下のような感じです。
・商談中であれば、その場で現場に連絡して製作可否を確認する
・電話で相談があった場合は、当日中に訪問して詳細を確認する
・新規開拓で訪問した後には、御礼のメールを当日中に送信する
要するに、何かアクションを起こした後や、お客さんが困っているようなことを聞き出したり相談があった時点で、“その場ですぐに行動する”です。
パイプは太く長く
ここは、顧客に対して特別な扱いをできているかどうかです。
顧客も色々な取引先と関係はあるが、自分を大事に思ってくれるところには同じように扱いをしてくれるから。
ボクは、サラリーマンのときに新規開拓した顧客と今も良好な関係を保てています。
それは、前任者から引き継いだ他の顧客と違って、特別な思い入れがあるからです。
これは新規開拓した人は経験があるかもしれませんが、多くの担当先を任されたり月日が経つにつれて色あせていくのも事実であり、サービスが低下していくこともあるでしょう。
でも、ボクの場合は、この「サービスを低下させない」ということを信念として対応しているので、未だに取引いただいているだけでなく新しい案件の相談をもらえたりと関係性を維持できています。
よくある質問:でも、全ての顧客に平等な扱いじゃなくていいの?
これに関しては、建前と本音というところです。
なぜなら、誰しも内心では顧客への対応に格差をつけているから。
営業マンも人間なので、やはり相手によって優遇・冷遇になってしまうこともあるでしょう。でも、それは決して個人的な判断ではいけません。会社の顔である以上、どうしても自分の意見を押し通そうとする顧客であったりクレーマーなどには格差を付けざるを得ませんが、単に性格が合わないとか売上が低いだけの理由ではNGです。
ボクの考えは、あくまで平等に見て、突出して売上が著しかったりポテンシャルが高い、ベクトルが同じという顧客にはどうしても力が入ってしまいますね。
仕入先の開拓推進
ボクが最後に提言したいのが、これです。
理由は、製造業にとって材料の仕入先や外注先は売上を上げていくためには要となるので。
ボクがこれを推奨するのには他にも理由があって、心の支えにもなっているというのが本心的なところではあります。
大袈裟かもしれませんが、製造業の営業って結構メンタルをやられるんですよね。。特に納期に追われて、挫折していく事例が多いみたいで。
ボクの場合は、顧客にも恵まれているのもありますが、仕入先・外注先にも恵まれていると思ってます。なぜなら、納期が迫っている場合であっても、お願いすればどうにかしてくれるんです。これは日頃からの付き合い方だとは思いますが、いかに感謝しながら取引していくかというのがポイントになります。
仕入先の開拓方法は、営業マンであれば難しいことではないので、ここではこれをすることで得られるメリットについて解説しました。
まとめ:業界が変わってもやることは変わらない
ここまで、製造業の営業のコツについてでした。
ただ、この製造業界で5年やった経験として行き着いた結論としては、「どの業界であってもやることは変わらない」です。
ボクは最も勤務年数が長かったのはファブレスのメーカー営業でしたが、その時の営業経験は今でも生きています。
色々と書きましたが、営業マンとしてのミッションは決して自社の売上だけを考えるのではなく、顧客との関係づくり=顧客にとってメリットがあることで取引をすることです。結局のところ、それが回りまわって自分に還元されるというものなんです。
考え方のコツとしては、営業という職種の役割をどう捉えるという点と、それとは別に具体的にどう動けばいいかということを切り分けて考えられるかだと思ってます。
あなたの営業の成果が上がるヒントになれれば幸いです。
今回は以上です。
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