「デキる営業マンを育てたいけど、どんな育成方法が最適解なのかわからない。やりがちな失敗も合わせて教えてもらえないかなー?」
今回はこんな疑問に答えていきます。
記事の信頼性
この記事を書いているボクは、営業のマネジメント経験6年。
着任当初は栄転だったので、部下との距離感は半端なくあり完全にアウェーでした。
そして、関係性だけでなく実績も低迷気味にあった営業所でしたが、3年目には着当初と同じメンバーで営業所の過去最高実績を残しました。
そんな営業マンを育成した経験のある記事で、あなたの一助となれば幸いです。
営業マン育成でやりがちな失敗
まずは、自分のマネジメントが正しいかの判断をしてみましょう。
- 自分の経験談を懇々と話す
- お客様は神様論で教育する
- 他の誰かと、比較してしまう
- その時の実績で対応が違う
- 自分自身を追い詰めてしまう
自分の経験談を懇々と話す
これは上司の典型ですね。
では、これがなぜダメなのかですが、みんな個々人で思考も行動も違うから。
具体的にいうと、部下からすれば上司であるあなたは何歩も先を歩いている人なので、同じような考えに及ばないんです。
ボクも経験はありますが、こっちがどれだけ熱く語っていても(聞いている姿勢は見せるものの)実態は上の空なものです。その証拠に、『これをやってみたら?』とアドバイスしていても全く試すこともなかったり…という経験はありませんか?
なので、自分の経験を熱く語りたくても、頑張って抑えるようにしましょう。
お客様は神様論で教育する
これもありがちな教育論ですね。昭和生まれの上司の人は気をつけないといけません。
営業マンからすれば、どのお客に対しても同等の対応をすることで消耗してしまうので。
確かに、どのお客からも売上をもらうので平等にしないといけないことは誰でもわかりますが、優先順位は何にでも必要だと思います。
その優先度の付け方は単純に売上が高いだけでなくポテンシャルが高かったり、頼りにしてくれている顧客など様々で良いと思いますが、注意すべき点は決して邪険にしないことです。
他の誰かと、比較してしまう
これは人を育てるという面で、誰もが衝突する壁ですね。
そして、比較される側からすれば、間違いなくモチベーションが下がります。
ボクもここはやってしまった経験がありますが、本当に反省してます。
比較される側の部下からすれば、自分にレッテルを貼られているのと同じなので。
これの根本的な原因は、コミュニケーションができていないことです。
表面的な部分だけを取り上げて批判する上司はナンセンスの極みなので、その部下の内面を見たり、ポテンシャルを引き出すように努めたいものですね。
その時の実績で対応が違う
これは営業の管理職であれば、やってしまいがちです。
多くの管理職が好調な時は賞賛して、不調な時は叱責しがちなので。
これまたボクにも経験がありますが、これをしてしまうとなぜダメなのかというと、結果的に営業マンはどんな手を使っても『売上を上げればいい』という考え方に陥るわけです。
例えば、お客は要らないのに強引に売り込んで売上獲得してきたり、架空の売上を計上したり・・・など最終的に手に負えなくなったりするものです。
そうならないためにも、日頃からあまりギャップのある対応はしないように心掛けることです。
自分自身を追い詰めてしまう
ここはマネジメントをしている、あなた自身のことです。
なぜなら、育成できていないのは自分のせいと考えがちだから。
ボクもマネジメントをしている時は、毎日が自分との闘い日々でした。
マネジメントには正解があるようでないので。『売上という数字が上がればいい』と、それが育成した結果であり、一つの正解だと指標にしようと思っても先述のように隠ぺいするような売上では本末転倒なるので。
では、どうすればいいのかですが、ボクが出した結論は『人材は周りの全員で育てるもの』です。
基本はマネージャーである自分ではあるんですが、周りの人に頼ればいいわけです。他の部下であったり、同じ管理職の同僚に相談に乗ってもらったり。
一人で抱え込まないようにだけしましょう。
営業マンのオススメ育成方法5選
それでは、本題に入りましょう。
- まずは個人の能力を把握する
- 自分の思い通りにはしないこと
- 現在進行形の話題こそが響く
- 管理能力の底上げをフォロー
- コミュニケーションは必須課題
まずは個人の能力を把握する
ボクが最初に提言するのは、これです。
なぜなら、何をもって誰を育成するのかという意味で必要不可欠なところであるため。
では、具体的に何をすればいいかですが、普段からの会話内容や仕事の出来などを見て、自分なりに判断すればOKです。
例えば、以下にようなイメージです。
・○○くんなら、あの顧客とも仲良くできてるから、この新規案件を任せられるかも
・△△さんは同行した時に、地味な作業が得意と言ってたから、◇◇をさせてみよう
・□□くんは、○○の件で成果を出せなかったから、この顧客を再トライさせてみよう
ここでの注意点は、決して型にはまった教え方やトップセールスに育て上げようとしないことです。
それらは、本人を追い込みますし、個性に適した指導ではないので気をつけてください。
自分の思い通りにはしないこと
これは知らず知らずのうちに、思い通りにしようとする人が多いと思います。
上司という立場では、ほとんどの部下はイエスマンであり、あなたを指摘する人もほぼいないので。
そういう意味では、自分の言葉の重みを感じている方も多いと思います。
では、どうするかですが、ボクは期待しすぎないようにしました。
『期待しない?それでは上司と部下の関係性が崩れるのでは?』と言われそうですが、そうすることで随分と気が楽になりました。
正直、思い通りにしようとしているときは、イライラしていたり自己嫌悪に陥ったりでしたが、そいう風に感じることも減っていきました。
でも、期待するなとは言いません。ボクは育成に関して言えば、期待されればされるほど本人の能力以上のものが発揮されると思っているので。
要するに、バランスですね。その部下の能力が発揮できそうな場面では期待してあげて、どうかわからない場面では期待せずに見守るです。
そうすることで、部下とも深いところで繋がれるはずです。
現在進行形の話題こそが響く
ここは、前項でお伝えした「自分の経験談を話す」というところの対策ですね。
自分の話=過去の話をしたところで、部下からすれば『この人だから出来た、昔の話だろ』になるので。
なので、ボクからの提案は、プレイングマネージャーであることです。
そうすれば、リアルタイムで部下と『今日は○○だった』『あのお客さんは△△だなー』などと話せて、こちらからの指示やアドバイスなんかも素直に受け入れてくれるようになります。
そして、話題の中で自分ではこう攻めようと考えているという風に話せば、部下も『それいいですねー、ボクもやってみます』という反応も出てくるようになるものです。
これはあくまでボクの実体験なので、全ての人に当てはまるとは言い切れませんが、少なくとも営業所から一歩も出ずにPCとにらめっこしている上司よりは聞く耳を持ってくれるようになります。
管理能力の底上げをフォロー
これは、自己管理能力が低い部下には最適と言えます。
「机の乱れは心の乱れ」と言われるほどなので。
机に限らず、PCの処理や顧客・仕入先・社内資料など様々な管理面で『○○くんは管理が苦手だなー』と思う人には手を差し伸べてあげましょう。
これの最大のメリットは、「自分の管理能力も上がる」です。
どんなことでも言えますが、インプットだけでなくアウトプットすれば習得のレベルも上がるのは本当です。
ボク自身も正直、一般の営業マンの時は管理能力が長けている方ではありませんでした。
でも、管理が苦手な部下を持って、アドバイスしたり実際に自分でやって見せたりすることで、自分の管理能力も上がっていったんです。
是非、一度お試しあれ。
コミュニケーションは必須課題
ボクが最も提案したいのが、これです。
これを怠ることは、マネジメントを放棄することと同じなので。
ここは声を大にして言いたいところですが、どんなに営業成績トップクラスで成り上がった人でも、上司から可愛がられて管理職に就いた人でも、このコミュニケーションができない・苦手なマネージャーのいる営業所の実績は低迷します。
ボクはこれが十分に出来ていないマネージャーを見てきたので、どれほどの重要性があるかを肌で感じています。
ボクはコミュニケーションといっても単に会話をすればいいわけではなく、日頃から部下への感謝も必要だと思ってます。
何気ない会話でも、「君たちには感謝しているよ」「ついてきてくれて、ありがとう」という気持ちを込めながらコミュニケーションを取るように意識するだけでチームとしての繋がりを保つことができるはずです。
まとめ:変化に順応できる営業マンの育成を
OJTに依存しすぎていると、いい人材=営業マンは育ちません。
それは、営業自体が型にはまった職種ではないから。
毎日の天気や道路のように、営業の仕事というのは日々目まぐるしく変化しています。
それに順応させることが、営業職のマネジメントの本来の役割だと思ってます。
マネジメントをされているということは、きっとのこの記事を読まれている方も営業経験があるからその立ち位置にいるはずです。
であれば、あなたがバリバリの現役営業マンのときに顧客を育てた感触を、部下のマネジメントに置き換えるように意識すれば、良い方向に向くはずです。
ボクも同じ経験者なので、応援してます。無理せず、片意地はらずに頑張ってください。
今回は以上です。
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