「今まで営業したことがないけど、法人営業ってどんなだろう?やりがいや魅力、個人相手の営業との違いなんかもあったら教えてほしいな~・・・。」
今回は、こんな疑問に答えていきます。
記事の信頼性
ボクは、法人営業歴20年の営業マン。
ここまで続けてこられたのも、お客さんと上手に付き合ってこられたからだと思っています。
色々なお客さんがいますが、これから解説するポイントを押さえておけば、そんなに難しいものでもありません。
法人営業を経験して、力をつけたい方は是非参考にしてください。
今回の記事を読むことで、以下のことがわかります。
- 法人営業をすることで、ビジネスマンとしての地位を確立できる
- 法人営業を経験することで、今以上の年収アップが見込める
- 法人営業をすることで人脈が広がり、頼られる存在になる
法人営業の特徴と、個人営業との違い
まずは、法人営業の特徴ですが、ここでは実務的な部分だけでなく、人間的な成長という目線でも書いています。
- 業界知識
- 顧客学習
- 関係構築
- 交渉・商談
- 回収方法
業界知識
法人営業の場合、ここは生命線になってきます。
なぜかと言うと、相手もビジネスマンであり一定の知識を持ち合わせているから。
例えば、業界の知識がないセールスマンが飛び込み営業した場合、『〇〇(業界用語)はどれくらいあるのか?』や『△△(業界動向)が以前の☐☐%にまで上がっているけど、どうなの?』などと具体的に突っ込まれたら、どうでしょう?
返答はろくにできなかったり、その場しのぎの会話になったり・・・となるのを容易に想像できますね。
なので、ココは法人営業をする上で最低限のマナーであると推奨します。
冒頭から厳しいことを言いますが、「小難しい話は苦手」という方は法人営業はやめた方がいいです。
個人営業との違い
個人を相手にした営業になると、業界知識がなくても成立してしまいます。
個人相手になると、世間話や相手の環境に寄り添ったものを求められるから。
具体的には、個人のお客さん相手に業界の話をしたところで興味を持たれませんし、むしろそんな営業が来れば煙たがられるのは間違いありません。
顧客学習
お客さんが法人(企業)である以上、色々な情報を集めないといけません。
相手のことも知らずに売り込むことは、無防備以外の何者でもないですからね。
学習とはいっても、そんな難しいことではありません。ボクがやっていることは、お客さんのホームページを見て、「生業としている分野」であったり、「何を強みとしているのか」や「売り込む製品(サービス)との接点を探す」などです。
あと、余裕があればいいですが、「最新情報(ニューリリース)」なんかもチェックしておくといいです。話のネタとして、『こんなこともされてるんですね』または『最近、〇〇を開発されたんですね』などと近況を話せて、自社に関心を持ってもらっていると相手(お客さん)は嬉しい気持ちになります。
個人営業との違い
個人相手の営業では、当然ながら事前学習はできません。
企業のように、ホームページなどの情報がないので。
むしろ逆に根掘り葉掘り調べた話なんかをしてしまえば、個人情報保護法の観点から責められかねません。
関係構築
法人営業の場合は、ここが大きな取引にまで到達するどうかの分かれ道になってきます。
営業に限らず商売をする以上、根本的に必要不可欠な部分であり、どんな業種であっても取引自体が信用で成り立っているので。
法人営業を長年してきたボクとしては、ここは一番肝になる部分だと思っています。
ボクが心掛けていることの代表例としては、「共通点を探す」「GIVE&GIVE」「目標を共有する」などです。
具体的な内容を詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
【保存版】できる営業マンの話し方20のコツ【経験談&具体例あり】
個人営業との違い
個人営業も関係構築は不可欠ですが、法人営業との違いは上記で挙げた「目標を共有する」などです。
個人のお客さんは自分にメリットがあれば成約に繋がると思います。しかし、相手が法人の場合は窓口の人が利点を感じても、その企業にとっての魅力がなければ取引に発展しません。
そこで必要となってくるのが、自社の製品(サービス)がお客さんが望むものに近かったり、ベクトルが同じ方向に向いているかどうかで判断されます(目標共有)。
交渉・商談
法人営業の場合、取引する金額が大きいため契約に至るまでの道のりが長いです。
それは、企業の窓口だけでなく、その上司(部長またはそれ以上)の決裁が必要になり、色んなアプローチの仕方を求められるから。
ただし、ボクはそこも法人営業の特徴的なところであり、面白みだと思っています。それは上記の関係構築にもなるのもありますが、自己研磨のチャンスにもなるからです。
「営業は断られてから・・・」という言葉もあるくらい、そこで踏ん張りを見せないと契約もできなければ、自分の成長にも繋がりません。
こういったプロセスを経て契約できた時は、本当に喜びもひとしおですよ。
個人営業との違い
ここも当然、個人営業も時間がかかることもあるでしょう。しかし、法人相手とは違い、一人のお客さん(もしくはその家族)が納得すればOKになります。
なので、ビジネス的な部分よりも、どれだけ生活(家計など)に密着しているかになります。
回収方法
お客さんが法人の場合は、入金されるまでに時間がかかります。
それは、製品が納められた(サービスが開始した)タイミングではなく、その後(約1ヶ月後など)になる信用取引で成り立っているから。
具体的には、「掛売り」や「手形」といった取引になるわけですが、支払われるまでの期間(支払いサイト)は各企業によって様々です。
ここは商売をする上で最重要になる部分なので、それまでスムーズに商談が進んでも、ここで取引を断念するといったケースも少なくありません。
例えば、製品を納品したのに「入金されるまで120日待たないといけない(手形取引)」などが後から分かり、自社の資金繰りでは難しいということで断念するといった場合です。
これから法人営業をする方は気をつけるようにしましょう。
個人営業との違い
お客さんが個人であれば取り扱う金額も法人との取引とは違うので、現金が入金された後に製品を納めることになります。
自社が中小企業の場合は、やはり「ニコニコ現金払い」の方が嬉しいですね。
法人営業のやりがいと、長続きさせるコツ
ここでは、「報酬」という当然のものは挙げず、営業職を選択することで得られる自己成長や将来の基盤にもなるという考え方をもとにご紹介します。
その結果的に、「報酬」という可視化された対価が得られるということになることは言うまでもありません。
- 大きい金額を扱うことができる
- 自社・顧客の売上に貢献できる
- ロジカルシンキングが身につく
- 幅広いネットワークを確立できる
- ビジネスマンとして自信が持てる
大きい金額を扱うことができる
お客さんが法人=企業なので、当然と言えば当然ですね。
お客さんである企業の先には多くのお客さんが存在していたり、大規模な取引をしているわけなので。
僕の場合は、最初に経験した法人営業は小売業界だったので金額的には決して大きい方ではありませんでしたが、それでも年間で6~8千万円くらいの売上予算がありました。
そして、今の業界では年間1億円以上の売上を上げることは普通です。
法人営業をしている人の多くは、この取り扱う金額が大きいのがやりがいという方も少なくないでしょう。それだけ報酬も大きくなるのは、言うまでもないですからね。
また、経験値が増えていけば、この大きい金額によるバックマージンで独立することも夢ではありません。
なので、法人営業で大きく稼いで将来的に独立することを掲げていれば、楽しく続けられます。
自社・顧客の売上に貢献できる
お客さんがエンドユーザーとなる個人営業と明らかに違うところですね。
法人営業はお客さんが企業なので、その企業の売上に寄与することになります。
この売上に貢献するということの最大の喜びは、相手(お客さん)が喜ぶことで感謝され、それで自社(自分)の売上になって帰ってくるという善循環の流れ(WIN-WIN)になっていきます。
ボクの場合、今は製造業なのでお客さん以外に、生産者も喜ぶという「WIN-WIN-WIN」の形になっています。各取引先と良好な関係を保てれていれば、離職することなく安定して続けられます。
ちなみに、お客さんに喜んでもらうこととしてボクがやっていることは、今困っていること(悩んでいること)を聞き出すことです。
これは意外と飛び込み営業でも通じるくらいハードルが低く、誰にでも出来ることなので試してみてください。きっと新しい発見があると思います。
ロジカルシンキングが身につく
営業は、必然的にこれが身につく職種です。
理由は、毎日お客さんとの対応をしたり上司へ報告したりするので、何をどう伝えるべきかを考えるようになるので。
ボクは今でも口下手ですが、このロジカルシンキング(論理的思考)は身に付いています。
例えば、営業先の交渉で成立しなかった場合、まず「何がダメだったのか(原因追究)」を振り返り、その根幹にある理由を考え「今どうにかなるものか、又は将来的にどうにかなるものか(分析・仮想)」と掘り下げています。その上で、「今できることをやってみる(検証・改善)」という風に筋道を立てて考えるようになっています。
これは慣れの部分なので、トイレやお風呂、移動時間などで日頃から考える癖をつけていればできるようになります。
自分の失敗を振り返ったり、今のビジネスをどう自分の商売にできるかを考えていれば、仕事も長続きさせられます。
幅広いネットワークを確立できる
ここは、営業職に就く最大のメリットですね。
営業ほど、色々な人に出会えるチャンスがある職種は他にはないので。
ボクは20年間の営業経験の中で、これまで何百という人と名刺交換をしてきました。名刺交換するだけであれば誰にでもできることですが、営業はその後の関係性を強化することができる職種です。
そして、営業で差がつくのは同じ人脈でも濃厚な関係性をどれだけ作れるかでもあります。
しかも、ボクはその濃厚な関係性を作るにしても、単に目に見えた売上が高いところだけを狙うのではなく、その先のネットワークの広さやポテンシャルの高さなどを指標にするようにしています。
そうすることで、誰もが仲良くしようとしている企業と横一線で同じような扱いをされることもなく、個人的に仲良くなれるようになり法人営業自体が楽しくなり長続きします。この時、売上は後付けの考え方でOKです(ボクは人柄や気が合うというレベルで決めています)。
よくある質問:個人営業でも人脈はできるんじゃないの?
確かに、個人相手でも紹介の紹介といったようにネットワークが広がっていくでしょう。
しかし、法人営業はその従事している業界で確立されるため、お客さん(販売先)だけでなく仕入先などを紹介してもらうこともあるんです。
また、同じ紹介でも企業規模なので、個人のように一人ひとりに会わなくても信用される点でネットワークの規模も違ってきます。
ビジネスマンとして自信が持てる
法人営業は社会情勢に左右される職種(BtoB)でもあるので、キャリアアップにも繋がります。
この理由は、法人営業は扱う商材が社会情勢に影響したり、経営者の方と商談する機会が多いため、日々のニュースや新聞などを確認する必要があるから。
ボクは営業職に就く前は現場で働く作業員だったので、社会情勢や政治にも一切興味がありませんでしたが、営業をするようになって社会の動向に興味を持つようにもなり、自分のその一端を担っていると意識するようになりました。
ここは、自分の経験値とともに上がってくる年輪のようなものなので、法人営業を数年続けることでわかってくると思います。
これを念頭に置いていれば、最初は目の前の仕事で無我夢中でも、ビジネスマンとしてキャリアアップしていきます。そうなってくると、転職や独立も視野に入って退職することも恐れないので、自分らしく働け結果的に長続きしていることでしょう。
まとめ:法人営業に関わらず、やりがいは・・・
今回はボクの経験がある営業職について解説してきましたが、基本的にどんな仕事でも誇りを持って働けば、楽しくなりやりがいも生まれてくるものです。
それに、仕事のやりがいは自分で見つけるものだと思っています。
そして、20年間の営業経験があるボクとしては、「営業職」であれば法人でも個人でもスキルアップできるというのが結論です。
それだけ、営業職には自分の能力を最大限に引き出す魅力があると思っています。
この記事を読まれているということは、法人営業(または営業職)に興味があるからだと思います。
そんなに難しく考える必要はありません。あなたが30代で営業未経験であっても問題ありません。
20年前の自分がそうだったように、ボクは新しい自分を発見しようとするあなたの第一歩を応援します!
30代で転職を考えている方や、営業職に就くべきか迷っている方は、こちらの記事を参考にしてください。
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今回は、以上になります。