「営業で訪問する際のマナーが知りたい。というか、他の人はどんなことに気遣っていて、どんな失敗談があるのだろうか?営業で恥をかかずに商談を成功させたいので、どんなマナーがあって、どこに気をつければいいのか知りたいです。」
記事の信頼性
この記事を書いているボクは、営業経験20年目。
営業3年目で2.5年(半期+通期2年)連続の予算達成。
マネジメントも6年経験しており、20%減になっていた営業所の売上を+35%増にまで回復させた実績もあり。
現在も営業現場の第一線で顧客へ訪問して、小売業で年間7,000万円以上の売上実績を作っています。
営業で訪問する際のマナー3ステップ
1.商談成立を左右する:訪問前の準備
やはり営業は準備が9割と言いますから、落ち着いていきましょう。
まずは下記の3つです。
・アポイント
・資料作成
・情報収集
順に解説していきます。
「アポイント」
営業であるあなたが面談を望むのであれば、アポイントは必須条件です。
ここは言うまでもないですが、営業するべきキーマンに事前にアポイントを取らなければ、的外れの行動になるので時間が無駄に終わります。
メールを常に確認していたり携帯電話を常備している今の時代に、ノーアポ訪問のイメージは非常に悪いです。当日訪問であっても、必ず一本連絡を入れましょう。
ボクも毎日訪問する先の既存・新規関わらず、必ずアポイントを取ります。
- よくある質問:アポなしでも会ってくれるけど?
確かに、ノーアポでも会ってくれるお客もいます。
でも、それって相手のことを考えれていますか?
営業は、基本的に相手があってのビジネスです。
ルート営業であればノーアポの面談も実現しますが、それでも相手を尊重できているとは言えませんね。
実際、ボクも過去にルート営業でノーアポ訪問していたことはありますが、お客からは嫌な顔をされた経験があります。
その時はキーマンとの面談をあきらめ、スタッフに伝言をお願いしたり自社の売場を確認する程度に留めていました。
ちなみに、新規営業のテレアポで成功させるには、【実証】営業のテレアポでボクが成功させているコツ【5ステップ】で解説しています。
「資料作成」
営業マンが手ぶらで訪問するわけにはいきません。
最低限、自社をPRする資料は揃えておきましょう。
「営業する」ということは相手から時間をいただくことなので、お互いにとって有意義な時間となるよう建設的な話をするための資料は必須です。
ボクの場合は、会社案内とプラスαを心掛けています。
相手が知りたいであろう自社の強み(売れ筋商品など)や得意先別の実績などを提示することで、親切であり目標を共有できたりします。
あと、資料作りの時に考えておきたいこととして、相手から「この人の目的は何なのか?」と思われているので訪問する目的を明確して作っていくべきですね。
「情報収集・行き方」
営業に行って何を話しますか?自社のことだけですか?
相手の会社のことを知っておくことで信頼関係は強化されます。
資料作成でも同様ですが、相手がどんなことをしているかを下調べしておくことで、「うちのことをよく知ってくれている」と思われます。
これは信頼関係構築の第一歩で、相手からすれば「この人になら任せられるかも」となります。
ボクは、正直そんなにガッツリ調べてはいません。
理由は、先方も自社をPRする際にこちらが知っているモードよりは、そこで実際に聞いてアドリブで応えた方が信頼されると思うからです。
あと行き方ですが、ここは必ず調べておいて30分は余裕を持って出発しましょう。
前日に調べていても、当日になって渋滞などで間に合わなくなるかもなので当日にも絶対にチェックしておくのをオススメします。
2.判断基準にもされる:訪問時の心得
訪問時のマナーとして重要なことは、以下です。
・時間厳守
・身だしなみ
・挨拶の仕方
ボクの経験を踏まえて、順に解説していきます。
「時間厳守」
結論として、時間を守れない人はビジネスマン失格です。
当然ではありますが、時間にルーズな人は信用を失います。
一般的には「訪問する時間は、約束の5分前後くらいがちょうど良い」ということを聞いたことがあるので、常にそれを心掛けてます。
早過ぎず、遅過ぎずですね。
また、どうしても交通事情等で遅れる場合は、最低でも10分以上前に連絡を入れておくだけで印象が変わります。
「遅刻の電話を入れると印象が悪いから…」「怒らせてしまわないだろうか?」「面談がキャンセルされたらどうしよう…」と考えるより、遅れるという事実を受け止めて事前に連絡を入れることの方が正義です。
約束の時間になっても「来ないな~」とお客を待たせるのではなく、空いた時間を有効に使ってもらうと考えるべきです。
面談拒否されるようであれば、そのレベルということなので逆に会わなかった方が良かったと割り切るべきです。
「身だしなみ」
営業である以上、ビジュアルの点数はしっかり獲得しておきましょう。
あまり神経質になる必要はありませんが、ボクの経験上、清潔感のない人は相手から距離を置かれがちです。
具体的なポイントは、「髪型」は整髪されているか・「服装」にシワやシミがついていないか・「靴」は汚れていないかで良いです。
ワンポイントアドバイスとしては、以下です。
目ヤニがついていないか鏡で確認する。
口臭が気になる場合はガムを噛んでおくといいですよ。
運転していて眠かった後は、「洗顔シート」がオススメです。ボクも使ってますが、いい感じで目覚めますよ!
マスク着用時は斜めにズレていないか?
あと、好印象を持たれるためには座っている時の姿勢を正しくいるだけでも違います。
「挨拶の仕方」
受付での挨拶は、「○○様と〇〇時にお約束しておりました、○○会社の○○と申します。」と、明るく滑舌よく伝えましょう。
あなたが営業される側で考えてみてください。
暗い人よりも明るい人の方が気持ちいいですよね。
ここでのポイントは、受付担当の方に聞き返されないことです。
早口になったり、大勢の人から注目されて臆して小声になったりしないようにしましょう。
あなたが選んだ営業職は、顧客が「観客」であり訪問先が「舞台」です。
ボクのマインドとしては、「あなた方の会社にとって有益な情報を持ってきた者である」と堂々とした態度で挨拶をしています。
ちょっとビビるだけでも頼りないイメージを持たれて、そんな話を社内で話されているものです。商談の帰路でクシャミが出れば間違いありません(笑)
3.結構やりがちなこと:訪問後の対応
では、実際に訪問した時のマナーです。
・下座に座る
・名刺交換
・着座後の礼儀
意外にミスっている人も少なくないので、一つずつ解説していきますね。
「下座に座る」
営業のあなたは、「下座」に座ると覚えておきましょう。
「上座」は、客人または目上の方が座るものです。
ちなみに、「下座」とは入口から手前の席のことです。
※ここは訪問先によって座る場所が違うこともあるので、ケースバイケースで対応してください。
商談ルームへ案内された後は下座に座り、相手が現れた際には起立して挨拶します。
そして、着席する際には「どうぞ」と言われたり「失礼します」と言って座りましょう。黙って座るようなマイペースではいけませんよ。
- よくある質問:「上座」に座ることもあるけど?
たしかに「上座」に座ることもありますが、それはお客の方から「どうぞ」となった時だけにしてください。
でなければ、商談相手やお茶くみの方から微妙な対応をされてしまいます。
ボクも何度か間違えて「上座」に座ったことがありますが、なんか相手側がソワソワしていたり、自分でも座ってしまったあとに違和感があったものの言い出しづらく恥ずかしい想いをした経験があります。
「名刺交換」
「一客入魂」で営業である、あなたから名乗りましょう。
営業が初対面でテストされるところです。いつもやっていることだからと怠慢にならないよう気をつけてください。
以下は、ボクが常に営業先でやっていることです。ご参考まで。
できる限り両手で受け取ることと、相手と目を合わせるようにすると印象が良いです。
また、同行していれば、先輩や上司より先に出すことないようにしましょう。
相手側が複数名いる場合は、事前に人数分を用意しておくと段取りが良いイメージを持ってもらえます。
「着座後の礼儀」
着座したあとは、まずは自分のために時間を割いてもらえたことにお礼を言いましょう。
また、商談中であってもお茶くみの方へのお礼は忘れないように。
着席したあとにいきなり仕事の話をするより、お礼や世間話程度をしておくとお互いがリラックスします。
また、お茶を出されて先に飲んだりしていると相手から「この営業、大丈夫か?」と思われるので気をつけてください。
ボクの場合は、まずお礼を伝えたあとに「お忙しいですか?」「コロナの影響はいかがでしょうか?」などとその時世に合った話をするようにしています。
その際に、できれば景気の話をして営業の話をしやすい方向に持っていっておくと、相手からも自然に受け入れてもらえます。
そして話が温まってきたところで、本題へと切り出していくと良いです。
また、飲み物を出された時は真っ先に飲まず相手から「どうぞ」と言われるまで、もしくは時間を置いてから「いただきます」言って飲むようにしましょう。
企業訪問時の営業マナーの注意点と失敗談
ここでは、ボクの経験をもとに注意していることと、実際に失敗した内容をご紹介していきます。
営業で企業訪問する際のマナーの注意点
上記で挙げた以外に、ボクが営業で企業訪問する際に注意していることは以下のことです。
・相手の都合を最優先する
・会社の顔という意識を持つ
・首尾一貫(しゅびいっかん)
では、一つずつ解説していきますね。
相手の都合を最優先する
自分のスケジュールよりも、相手の都合を最優先するのが営業マンです。
(アポイントのところでも書きましたが)営業は相手があってのビジネスです。相手を尊重できなければ、獲得できるチャンスを自ら減らしてしまいます。
営業であれば、早く実績を作りたいから早く会いたいという焦る気持ちが前面に出がちですが、そこは見え隠れするぐらいにした方が相手とも程よい距離感を保てます。
実際にボクも、こちらが「来週には面談したい」と思っていても、相手からは「再来週にしてほしい」と言われますが、時間変更などのお願いなどと食い下がらないように気をつけています。
過去に経験がありますが、あまりしつこい営業は断られる傾向にあるので注意してください。
また、あまり気が乗りませんが、大手企業が相手になると「お問い合わせフォームから入力してください」と言われることがあります。
その場合でも、できる限り入力しておいた方が良いですね。
※「この営業は煩わしく思わず対応できるだろうか?」と、テストされているので極力入力・送信した方が良いです。
(入力する内容は細かい部分は「任意」が多いので、訪問目的だけ明確にしておけば3~5分あれば済みますよ)
会社の顔という意識を持つ
この言葉は営業マンがよく言われる言葉ですが、「会社の顔」になることは自分の人間性を試されています。
相手側で「○○(会社名)は○○さんだね」などと自分=会社と評価されるからです。
では実際にどうすれば、「会社の顔という意識を持っている」と思われるのか?
それは、レスポンスを早くすることです。
レスポンス=対応が早ければ、会社として信頼を得られます。
具体的には、面談の際に現場の担当に聞かないとわからないことがあれば、何でもかんでも「一旦持ち帰る」ではなく、その場で電話して聞いてみるのも相手からの印象は変わります。
また、営業は訪問後の対応が重要なので、帰社後にすぐにお礼メールを送るだけでも違います。
首尾一貫(しゅびいっかん)
ここは簡単なようで難しいですが、「ブレない」ことです。
営業の大半はトークで信頼を得ないといけないので、二枚舌では信用を失いますから。
ボクが「ブレない」ためにやっていることは、お客と約束をすることです。
お客は「この営業は明日になれば違う対応をしてくるかも」と、疑いの目で見ていることが多いです。
でも、「(自らに宿題を与えて)○○までに回答します」と積極的に期限設定したり、自社の商品・サービスでも「不可能なこともある」と正直に言うことです。
お客は誠意ある営業マンへの評価は高いので、「また回答します」と曖昧な対応せず、「○○もできます」と安請け合いしないことですね。
この辺の営業としての考え方は、【経験談あり】営業マンに本当に必要な5つのスキル~実務&思考編~に詳しく書いています。
ボクが営業で経験した企業訪問時の失敗談
ボクが営業で企業訪問する際に失敗したことは、以下の3つです。
・アポイントでPR失敗
・訪問時間に遅刻する
・資料作成無しの訪問
上記の通りですが、具体的に紹介していきます。
アポイントでPR失敗
アポイントで自社を上手にPRできず、面談を断られました。
営業の新規開拓でアポイントを取る時に、他社と差別化できるような強みを提示することができなかったので、「それなら間に合っている」と言われて面談を断られました。
アポイントを失敗してわかりましたが、面談まで漕ぎつけるには下記のことをPRすべきであると思ってます。
・強み
・実績
・背景
強み
他社では置き換えることはできない、自社だけのものを伝えることです。
例えば、メーカーであれば価格帯や市場シェアであったり、商社であれば最も強いメーカー名を出すといった感じですね。
実績
ここでの実績は、あくまで電話内で伝えられるレベルのもので構いません。
「○○業界では○番目の実績がある」や、「○○という製品は〇月に○○万円の実績が出ました」といった感じで数値を提示することです。
背景
ここはなぜ、その企業へアポイントを取ろうとしたのか?ということです。
自社と相手側とどんな接点があり、相手にどんなメリットがあるのかを伝えられれば、面談の約束までは漕ぎつけると思います。
訪問時間に遅刻する
訪問時間に遅刻して、面談をキャンセルされました。
これは本当にこたえました。遅刻した状態でお客のところへ急いで赴きましたが、時すでに遅しでした。
やはり、電話一本だけでも入れておくべきでした。
自分の段取りとフォローが不足していたことで、せっかく取れたアポイントがキャンセルされた上に自社のイメージも下げてしまいました。
上記の「営業で企業訪問する際のマナー3ステップ」のステップ2の「時間厳守」にもある通り、時間を守れなかったボクは「ビジネスマン失格」でした…。
そういう経験もあり上記に書かせていただきましたが、やはり遅刻する時は“勇気を出して「遅れます」ということを先方に連絡を一本入れるべきです。
誰にでも失敗や計画ミスはあります。
それを受け止めて次の行動に移せる人だけが、前に進めるんだと思います。
資料作成無しの訪問
資料作りを怠ってしまい、取引につなげることができませんでした。
ここも「営業で訪問する際のマナー3ステップ」のステップ1にあるように、「そのお客専用のオリジナル資料」の作成を怠ったことが敗因だったと思います。
やはり、資料を準備しておくだけでイメージが変わるので、ステップ1にもある通り準備9割ということを念頭に置いて活動しましょう。
- よくある質問:資料作成していたら取引できていたって、どうしてわかるの?
確かに断言はできませんが、可能性としては高いはずです。
それは相手がこちらの情報を知りたがっていたり、何を基準に取引しているかということが話しているうちにわかるからです。
営業先で面談していると、こちらのことを根掘り葉掘り聞いてきたり、「こんな商品(サービス)が欲しいけど、実際のデータを見てみたい」などと言うお客がいます。
こんなお客へのデータ提示は理にかなっていて、資料作りは効果てき面と言えます。
とはいえ、全てのお客に対して毎回作ることは大変なので、資料作りのコツとしてはアポイントの時点でどんなタイプなのかを把握しておくと良いです。←ここは、あくまで“探り”なので露骨に聞くと、墓穴を掘ることになってしまうので注意してください。
まとめ:営業はどれだけ印象を残すことができるか
ここまで「営業の訪問マナー」について解説してきましたが、アポイントを取るにしても面談するにしても営業をする上で重要なことは、あなたという存在を相手に印象深く残せるかどうかです。
例えば、あなたが客先を去った後でも相手(お客)に対して、ふと思い出すようエピソードが残せていたか、あるいは驚くような情報を提供できていたかなどを振り返ってみて有るのであれば良い感じだと思います。
これはあまり意識しすぎると難しいと思いますが、「あなたが相手(お客)のことをどれだけ考えられているかどうか」でライバルと差をつけることができます。
営業としてのマナーを身につけて、お客さんを味方にできれば大きな前進です。2回目以降の訪問はルート営業にもなるので、【経験談】ルート営業がきつい本当の理由5つを公開【失敗談あり】を参考にしてみてください。
今回は以上です。