「普段は、SNSやチャットなどでのやり取りだから、メールでは何て書けばいいんだろう?マナーなんかもあったら知りたい・・・」
今回は、こんな疑問に答えていきます。
記事の信頼性
この記事を書いているボクは、社会人経験20年の営業マン。
メールの書き出しでは、これまで社内外で多くの人とやり取りをしてきましたが、良好な関係を維持するためにケースバイケースで対応してきました。
場面ごとに、この書き方を徹底していれば大丈夫というものを記事にしたので、今日から使ってみてください。
ビジネスメール書き出しマナー3原則
- 件名&宛名は必須
- 挨拶して名乗ること
- すぐに本題から入る
まず、マナーから解説していきますが、ビジネスメールは決まった形があるので、それを覚えれば難しいことはありません。
覚えてしまえば、あとは書き出しや本文をその場にあった内容にすればいいだけです。
件名&宛名は必須
ここは書いていて当然ですね。
件名がないと何の目的か、宛名がないと誰に送っているメールかわかりません。全員が個人のメールアドレスを持っているとは限りませんし、社内共有で誰が見ているかもわかりませんからね。
書き方のポイントとしては、以下です。
- 件名の場合は、件名欄に「~の件」「~につきまして」などと書いておけば無難です。
- 宛名は、「会社名(社内の場合は不要)→部署名→役職名→担当者名」をそれぞれ改行して書くだけです。
ちなみに、相手に役職がないときは「ご担当」と前に付けることで配慮があると思われます。
また、社内向けには「〇〇部長」「〇〇課長」として、所属が同じもしくは直属の上司や先輩であれば、部署名は不要です。
挨拶して名乗ること
次に文章の書き出しの部分ですが、ここはあなたがどこの誰かを知ってもらう必要があります。
具体的には、社外に対しては以下のようなフレーズが一般的です。
社外
- いつもお世話になっております。
- お世話になります。
「お世話に~」の前に「大変」などを付け加えると、相手に特別な印象を与えられます。
次に名乗るときは、改行して以下のように書きます。
- 普段からやり取りしている人には、「株式会社〇〇の〇〇です。」
- 初めて送る人には、「株式会社〇〇の〇〇と申します。」
そして、社内に対しては以下のような感じです。
社内
- おはようございます。
- お疲れ様です。
- ご多忙のところ失礼いたします。
社内で名乗る場合は、以下のように書きます。
- 普段からやり取りしている人には、「〇〇部〇〇課の〇〇です。」
- 初めて送る人には、「〇〇部〇〇課の〇〇と申します。」
※当然ではありますが、同じ部署や頻繁にやり取りしている人へは名前を名乗るだけ(例:〇〇です)で問題ありません。
すぐに本題から入る
本文の書き出しは、結論から伝えるようにすることです。
回りくどい内容は、相手に読んでもらえない可能性があるので。
なので、メールを書く前に、あなたの目的が何なのかを明確にしておく必要があります。
例えば、
- 相手にすぐに行動してほしいのか
- もう少し待っておいてもらいたいのか
- 現状報告だけで済む内容なのか
など。
そして、そのあとに、なぜそうしてほしいのか理由を書けばいいです。
相手は忙しいので、結論から読んで必要であればそのあとの文面も読んでもらえるはずです。
よくある質問:でも、いきなり本題に入るのって、どう切り出せばいいのやら。。
切り出し方は、ご存じの方も多いと思いますが、「早速ですが」「さて」を使えばOKです。
いきなり本題に入りやすいように、ビジネスでは頻繁に使われているフレーズです。
ボクの場合は、社内や仕入先には「早速ですが」「早速ではありますが」「さて」ですが、得意先や新規のお客さんに対しては「早速ではございますが」という風に丁寧語で書いています。
また、いきなり本題に入ることは、効率を求めるビジネス上では当然のことなので、臆することはありません。
ビジネスメールでの書き出し例文8選
それでは、実際にどんな場面でどんな書き出しをすればいいのか、例文でご紹介していきます。
基本的には、社内・社外ともに言い回しが違うだけなので、一緒にご紹介します。
また、今回ご紹介する例文は、普段からボクが使っている内容(仰々しくないもの)にしているので、その点は予めご了承ください。
■よくある書き出し例文3選
基本的な挨拶の場合
まずは一般的な挨拶の書き出しですが、これが一番よく使われるので覚えておいてください。
「社内」と「社外」に分けています。
社内
- お疲れ様です。
- おはようございます。
- ご多忙のところ失礼いたします。
例文
〇〇部〇〇課
〇〇課長
お疲れ様です。
〇〇課の〇〇です。
メールを送る時間帯やシチュエーションに合わせて使い分けることで、あなたに対する相手の印象は変わります。
社内だからといって、毎回「お疲れ様です。」では、相手への気配りが足りないように受け止められてします。
社外
- いつもお世話になっております。
- お世話になります。
例文
〇〇〇〇株式会社
〇〇部〇〇課
課長
〇〇様
いつも大変お世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇です。
社外といっても、お客さんだけでなく仕入先なんかもありますが、得意先やお客さんに向けては「大変お世話になります。」「いつも大変お世話になっております。」としています。
この「大変~」と書くことで、相手は特別に感じてもらえ優遇されている気分になります。
また、社内と社外の違いに気づいた方はいるかもしれませんが、社外には「役職名→名前」とすることです。間違っても、「〇〇課長」「〇〇課長様」などとはしないように。
面談後・連絡が続く場合
次に、打ち合わせをした直後や、やり取りが続く場合についてです。
「面談後」「連絡が続く時」に分けています。
面談後の場合
- 先程はありがとうございました。
- 本日は貴重なお時間をいただきまして、誠にありがとうございました。
例文(社外)
〇〇〇〇株式会社
〇〇部〇〇課
課長
〇〇様
いつもお世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇です。
本日は貴重なお時間をいただきまして、誠にありがとうございました。
対お客さんの場合、面談後または電話連絡後に一本メールを送れば好印象を持たれます。
「ありがとう」という言葉を文面に入れるだけで、相手も気分よくなってくれますよ。
連絡が続いた場合
- 度々失礼いたします。
- 先程ご連絡させていただいた件の追記になります。
例文(社内)
〇〇部〇〇課
〇〇課長
お疲れ様です。
〇〇課の〇〇です。
度々失礼いたします。
先程打ち合わせさせていただきました本件につきまして、下記に回答いたします。
上記に挙げている以外に、最初のメールで伝えきれなかった時のお詫びとして「恐縮しています」という意向が伝わるように書けばOKです。
また、同案件の場合は件名を変えずに、「追記」や「補足」という旨を書き出しで入れるだけで早く読んでもらえる可能性が上がります。
質問・確認をする場合
メールでの質問や確認するときも、気をつけておく点があります。
質問も確認もほぼ同じ内容なので、合わせて解説します。
質問・確認する場合
- 下記の件につきまして、ご意見をいただけますでしょうか。
- ご要望いただいた内容は、下記の通りでよろしかったでしょうか。
- 本件につきまして、下記の内容をご相談させていただきますでしょうか。
例文(社外)
〇〇〇〇株式会社
〇〇部〇〇課
課長
〇〇様
いつもお世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇です。
早速ではございますが、本件につきまして下記の内容をご相談させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
この質問・確認する際のポイントとしては、「~?」で終わらないところです。
普段のSNSやチャットなどに慣れている人は、「~でしょうか?」などと付けたくなると思うので気をつけてください。
依頼・催促をする場合
メールでの依頼、ましてや催促なんかどんな内容にすればいいのかわからない方もいると思います。
そういうときは、以下の例文を参考にしてみてください。
依頼をする場合
- 〇〇の件につきまして、ご教示いただけませんでしょうか。
- 下記の日程にて、お時間いただけませんでしょうか。
例文(社内)
〇〇部〇〇課
〇〇課長
お疲れ様です。
〇〇課の〇〇です。
早速ではありますが、表題の件につきまして、下記△△の詳細をご教示いただけませんでしょうか。
こちらの依頼に関して、質問・確認と違う決定的なことは明確な答えを求めていることです。
一般的には「~ご教示(ご教授)いただけないでしょうか」というフレーズで質問のように聞こえますが、ビジネス的には「教えてもらわないと困る」という風に考えておいてもいいくらいです。
催促をする場合
- 本件につきまして、その後の進捗状況はいかがでしょうか。
- 先日確認させていただきました〇〇の件につきまして、回答状況をご連絡いただきますよう、お願いいたします。
例文(社外:得意先)
〇〇〇〇株式会社
〇〇部〇〇課
課長
〇〇様
いつもお世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇です。
早速ではございますが、先日お伺いの際に確認させていただきました〇〇の件につきまして、進捗状況をご教示いただけませんでしょうか。
ここは催促なので、急いている!気持ちを前面に打ち出して文章にすることです。
注意点として、基本的に社内や仕入先には強気で送っても、得意先には控えめに書くことです。
得意先に対して、「~ください。」などと角が立たないように心掛けてください。
感謝・謝罪をする場合
文面に残す感謝や謝罪は、時には口頭で伝えるよりも効果があることもあります。
それは、文字に起こすことで記憶に残りやすいというメリットがあるからです。
感謝の意を伝える場合
- 先日は忌憚のないご意見をいただきまして、誠にありがとうございます。
- 今回のご提案にご同意いただけたことに、大変感謝いたします。
例文(社外)
〇〇〇〇株式会社
〇〇部〇〇課
課長
〇〇様
いつもお世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇です。
先日は弊社へご足労いただきまして、誠にありがとうございました。
また、今回のご提案にご同意いただけたことに、大変感謝いたします。
感謝の気持ちを伝える際の締めくくりは、「~ありがとうございます。」「~感謝いたします。」が一般的です。
重ねて感謝の言葉を伝えるときは、例文のように「また」を入れるようにしてください。
謝罪する場合
- この度は、大変ご迷惑をお掛けしておりまして、誠に申し訳ございません。
- 先日の会議ではプレゼン項目を失念しておりまして、大変失礼いたしました。
例文(社内)
〇〇部〇〇課
〇〇課長
お疲れ様です。
〇〇課の〇〇です。
先日の会議ではプレゼン項目を失念しておりまして、大変失礼いたしました。
この謝罪やお詫びの場合は、そのときの相手やシチュエーションを見て、かしこまる時とあまり恐縮しずぎない時とで使い分ける必要があります。
例えば、社内では、よほどの大きなミスや直属以上の上司でなければ、「申し訳ございません。」は多用しません。
よくある書き出し例文3選
最後は、よくあるパターンとして「返信する場合」「初めて送る場合」「久しぶりに送る場合」とに分けて、解説していきます。
いつものメールで悩む方は必見ですね。
相手へ返信をする場合
- 早速のご返信をいただきまして、ありがとうございます。
- 早々にご連絡いただきまして、誠にありがとうございます。
- 迅速なご対応に感謝いたします。
例文(社外)
〇〇〇〇株式会社
〇〇部〇〇課
課長
〇〇様
いつもお世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇です。
早速のご返信をいただきまして、誠にありがとうございます。
例文(社内)
〇〇部〇〇課
〇〇課長
お疲れ様です。
〇〇課の〇〇です。
表題の件、早速ご回答いただきまして、ありがとうございます。
この返信のお礼として、名乗った後すぐにお礼の言葉を入れてください。
相手が早く対応してくれたときは、上記のように「早速」「早々に」「迅速な」という文言を入れるだけで、相手はまた早く対応しようと思ってくれます。
ここは難しいことを考えずに、ストレートに感謝の気持ちを先に伝えればいいだけです。
初めての相手に送る場合
- はじめまして。
- 突然のメールにて、失礼いたします。
- 初めて、ご連絡させていただきます。
例文1(社外)
〇〇〇〇株式会社
ご担当 〇〇様
はじめまして。
株式会社〇〇の〇〇と申します。
例文2(社外)
〇〇〇〇株式会社
〇〇部〇〇課
課長
〇〇様
突然のメールにて、失礼いたします。
この度、〇〇様よりご紹介いただきました〇〇と申します。
初めてのメールとはいっても、全く何の情報もコネクションもないのと、誰かからの紹介とではアプローチの仕方も変わってきます。
例文を見ればわかると思いますが、WEB上での問い合わせ先などで記載されているアドレス宛の場合は、例文1のように「ご担当」として「はじめまして。」で始めれば問題ないです。
一方、例文2は誰かに紹介されたときに送る内容ですが、ここでは以下のことを注意してください。
- 相手の部署名や役職の情報があれば書くこと
- 誰に紹介されたのかを明確に伝えること
久しぶりに送る相手の場合
- お久しぶりです。
- ご無沙汰しております。
- お久しぶりのご連絡となります。
例文(社外)
〇〇〇〇株式会社
〇〇部〇〇課
課長
〇〇様
大変ご無沙汰しております。
株式会社〇〇の〇〇です。
久しぶりとはいっても、どのくらいの期間が空いているのが対象になるかわかりませんね。
ここは関係性にもよりますが、ボクの場合、2~3年の期間が空いていても距離感が近い「お久しぶりです」で済ませるケースもありますが、どうしても距離が縮められない相手には数ヶ月でも「ご無沙汰しております」とすることがあります。
あなたと相手との距離感を考えながら、使い分けてみてください。
まとめ:メールだからこそ感情移入を
ビジネスメールの書き出し文について解説してきました。
メールになるとどうしても、他人事のようになって無機質な内容になりがちですが、そこで差がつくのも事実です。メールは、そのフレーズまたは文章ごとに、あなたが相手のことを思っているかが伝わりやすいツールでもあります。
今の時代、『自分は文章でやり取りするのは苦手だから・・・』などという言い訳は通用しません。
ビジネスを上手に運ばせたいのであれば、今日から気配りのできるメールを送ることが一番の近道です。
あと、他の記事でも書いてますが、書き出し以外にも文章に悩んで当日にメールを送れなかったでは本末転倒です。
現代のビジネスマンにとっては、スピードが命です。
形ばかりにこだわるよりも、メールを送るということ(意思を伝えること)が最大の目的であることを忘れないでください。
ボクの経験から、営業マンにとってのメールの書き方の記事も書いたので、合わせてご覧ください。
【例文あり】営業マンが送るアフターフォローのメール5つのポイント