「営業と聞くとやることが多かったり、なんか忙しいイメージがあるけど、一体どんなスキルが求められる職種なんだろう?
…というか、本当に営業職をするべきなのだろうか?
初めて営業への転職を考えているので、どんなスキル(能力)が必要なのか具体的に教えてください。」
今回は、そんな疑問に答えていきます。
記事の信頼性
この記事を書いているボクは、営業歴20年目。
営業へ転職後、3年目で2.5年(半期+通期2年)連続の予算達成。
マネジメントも6年経験しており、20%減になっていた営業所の売上を+35%増にまで回復させた実績もあり。
あと、同じ営業でも大きく分けて「無形」or「有形」や「ルート」or「新規開拓」がありますが、ボクはいずれも経験しています。
営業マンに本当に必要な5つのスキル~実務編~
ボクがこれまで営業経験をした中で、必要な実務スキルをまとめました。
- コミュニケーション能力
- 各署との関係性維持
- 提案力=営業力は事実
- 行動力で差別化を図る
- 管理能力で説得できる
コミュニケーション能力
基本は、聞き上手になることです。
その理由は、下記の通りです。
- 一方的な提案では成立していない
- ヒアリングすることで課題が見える
流暢に話せる人は、どこか胡散臭く感じますよね。
あと畳み掛けるような提案をして商品やサービスが売れても相手が納得していなので、本気で売ってくれたり大事に扱ってはくれません。
なのでボクは、相手の話にはすごく関心を持って聞いて、受けごたえや自分なりの意見や感想などを伝えています。
そして、その相手の話が乗っているところで色々と悩みや不満などを聞き出し、自分にできることを提案しています。そうすることで、双方が納得の上で商談が成立します。
コミュニケーションと一言で言っても様々な形があるので、肩に力を入れず自分のやり方で試行錯誤して一番良いと思った形で確立していけば良いと思います。
各署との関係性維持
関係各署とのネットワーク作りは営業マンにとって不可欠です。
当然ながら、サービス提供は一人で行えるものではないから。
ここは、協力してくれている社内の人に感謝の気持ちを忘れずに接することで良好な関係が保つことができ、結果的に実績アップのサポートとなってくれます。
ここも社内でのコミュニケーションではありますが、ボクは営業としての意見は持ちつつ、相手=社内の関係各署の意見を尊重するように心掛けています。
そうすることで、ボクの意見も聞き入れてもらえお互いが望む方向へと進むことができています。
争いごとやいがみ合うのは、生産性向上にはつながりません。
カッコつけて自分の非を認めないことをしていると周りは離れていくので、良いところも悪いところもさらけ出していきましょう。自分に改善点があれば、直せばいいだけです。
提案力=営業力は事実
顧客にとっての最適解を提案できる力を身につけましょう。
提案力がなければ、営業マンは必要ありません。
提案力を上げるコツは、下記です。
- 相手の小さな悩みに気づけるか
- 準備は当然、必要不可欠です
順に行きましょう。
明らかに○○してほしいなどに対しては、どんな改善案があるかを考えれば良いですが、ボクは他社との差別化として小さな悩みや不満に対して提案するようにしています。
ここは意外と盲点なので、耳を傾けるようにしてみましょう。
次に準備ですが、ExcelやPowerPointで相手が望むものは何かを真剣に考えて、数字を抽出するのと至ってシンプルなものに仕上げましょう。
複雑なものはスルーされたり眠たがられたりするので、口頭で伝えるようにしてください。
行動力で差別化を図る
行動力は、社内外問わず競合相手との差別化になります。
その理由は、多くの人が言葉のみで動かないから。
営業マンは理屈っぽい人が多いです。それを逆手にとって、あなたは動くことで一歩先を行きましょう。
ボクが行動力として意識していること
- レスポンスの早さ
- 継続は信頼になる
レスポンスが早いこと=フットワークが軽いと思われ、顧客にも重宝されます。取引につながること、相手が喜ぶことはなりふり構わず行動に移しましょう。
また、行動力は長続きしないと「最初だけ…」という風になります。継続的に行動していくことで、あなたの信頼は口コミで広がっていきますよ。
ボクの失敗談としては、見積り依頼のあった案件に対して時間を空けてしまい評価が下がった経緯があり、それ以降はすぐに行動できない時は事前に時間をもらう(期日を伝えておく)ようにしています。
管理能力で説得できる
顧客や自社のことを把握・管理していることは、説得材料となります。
管理能力が高いことは、相手から見ると努力や工夫の裏付けになります。
管理能力を上げる方法
- 数値化してみる
- 観察力を磨く
顧客へ数字(昨年対比や購入商品ランキングなど)を提示することで、相手は「自社のことを把握してくれている」と安心感を覚えます。
また、顧客を管理するには観察力も求められます。観察力は洞察力となり、課題を発見する能力になります。
例えば、同じ商談相手でも決済権がない人といつまでも交渉するよりキーマンと進める方が早いのは当然ですが、ここも相手と話しているうちに見えてきます。
あなたの真価が問われるところなので、観察力を磨いていきましょう。
営業マンにとって訪問マナーは非常に大事なので、こちらの記事も合わせてご覧ください。
【簡単】営業で失敗しないための訪問マナー3ステップ【経験談あり】
営業マンに本当に必要な5つのスキル~思考編~
次にマインドスキルですが、意外とここができるかどうかで営業マンとしての適性があるかないかの判断ができます。
- 清潔感こそ好印象
- 誠実性を心掛ける
- 柔軟な対応ができる
- 向上心を忘れない
- 楽観主義であろう
清潔感こそ好印象
服装や髪型、姿勢などで清潔感をアピールしましょう。
営業マンは、第一印象でその後の方向性が変わるとよく言われています。
誰もが心掛ける、こちらの3つは気を付けておきましょう。
- スーツ
- 靴
- 髪型
スーツは3着で着回すと良いです。2着だと汚れた時の予備がないので。
靴もよく見られるところなので、磨いたりくたびれてきたら買い替えましょう。何足かを回すのも有りですね。
髪型はそれぞれなので、最低限の清潔感が保てていればOKです。
あと、ボクが第一印象として心掛けていることは、「明るさ」です。ここも爽快感が有るかい無いかで清潔感の一部となると考えましょう。
誠実性を心掛ける
誠実さは、どんなに能力の高い人よりも勝ります。
なぜなら、人は真面目・実直な人に対して信頼・安心感を持てるからです。
よく言われる話で「信用を得るには月日がかかるが、失う時は一瞬」ということがありますが、ボクはこの言葉を念頭に置いています。
誠実と思われるためのポイントとしては、以下です。
- 目を見て話す
- 約束を守る
- デメリットも伝える
自分が逆の立場であれば、どんな相手に信頼を持てるかを想像すればいいだけです。
柔軟な対応ができる
ケースバイケースで対応できることも営業に必要なスキルです。
営業マンにとって、固定観念に縛られてしまうと視野が狭くなり、提案や課題解決などの選択肢が限られます。
何でもかんでもペコペコする必要はありませんが、「プライド捨てる 9:1 プライド持つ」くらいで良いと思ってます。時には、相手のことを考えての意見は持つべきです。
ポイントは、謙虚な気持ちを持てるかどうかということです。
【失敗談】
ボクも過去に客先でモメたこともありますが、後から凄く反省した時に自分の考えだけを押し付ける傲慢な営業だったなと考え直して謝罪に出向いた経験もあります。
あまりにプライドが高いと必ず弊害になるので、泥臭さや適宜対応できる力を身につけていきましょう。
あまりにプライドが高いと必ず弊害になるので、泥臭さや適宜対応できる力を身につけていきましょう。
向上心を忘れない
向上心を持つことは将来のためにもなります。
意識が高い人の思考や行動は、あなたの経験となりその後の成果に結びつきます。
向上心は、独学精神や好奇心があれば持ち続けられます。
ポイントはこんな感じです。
- 目標は明確にしておく
- 功績に執着しないこと
- 新しいことに挑戦する
営業をする以上、ゴールは必要なので常に目標は掲げるべきです。
過去の実績(功績)に執着すると、先に進めません。ひたすら前進しましょう。
他の人がやらないことは、積極的にすべきです。それが批判されても結果を残せられれば会社は何も言わないはずですから(会社側に注意してくるようなら、将来性はないので転職を考えるべきですね)。
楽観主義であろう
楽観的になりストレスは溜めないようにすることは、継続できるポイントです。
営業マンにとってのメンタルコントロールは、絶対的な条件となります。
ストレスになるのは、人間関係ですよね。
なので、基本的にはこんな風に考えましょう。
- 相手は変わらないと考えるべき
- いつでも辞める覚悟で対応する
- 転職先候補は常にブックマーク
ストレスの対象相手に、「この人と向き合ったら相手も変わる」「〇〇すれば変わってくれる」などの期待は持たない方が良いです。簡単に人は変わりません。
なので、ストレスの対象が人であれば、いつでも辞めるつもりで働いた方が相手も弱みにつけ込んできません。
辞める覚悟の裏では、しっかり行動も移しておきましょう。転職サイトに登録して、良さげな会社はブックマークしておくのと、毎日少しずつ履歴書や職務経歴書を作って準備しておくだけで気持ちが楽になりますよ。
でも、今務めている会社ではやることはキチンとこなすことは忘れないでくださいね。
人間関係やノルマにも気負いせず、楽に生きましょう。
おまけ
PC&手帳活用スキル
PCや手帳活用のスキル次第で、他と差がつきます。
PCでは時短、手帳活用は記憶に残らない情報や宿題の備忘録になります。
PCのスキル
- 表、フローの作成
- ショートカットキー
- 単語登録も使える
最低限、Excelで簡単な表を作れると顧客管理などに役立ちます。フローも考えを整理するために作る習慣をつけておくと結構使えますよ。
あと、ボクは時短のために「コピペ、切り取り」「上書き保存」「検索」「選択(全部、部分)」「画面切り替え」は頻繁に使っています。
単語登録もメールを作る時に、かなり時短になるのでオススメです。
PCの効率が上がると仕事処理速度も上がるので、モチベーションも維持できます。
手帳のスキル
- リフィル式で効率化
- 使う場面を決める
- ペンを使い分ける
手帳はリフィル式をオススメします。理由は、過去に遡れたり自分で更新できるから。
ボクは使う場面を、商談・会議・打ち合わせ・アポのみにしています。どんな時でも手帳に残すのは不便なこともあるので、それ以外はスマホのメモ機能を使っています。
ペンは、1本で2色ボールペンとシャーペンが使えるものが良いです。黒と赤の使い分けで重要性を際立たせ、あとで修正可能なようにシャーペン機能は必須です。
他にも、営業マンにとって必要なスキルに「テレアポ」がありますが、気になる方はこちらの記事もどうぞ。
【実証】営業のテレアポでボクが成功させているコツ【5ステップ】
営業マンが必要なスキルを身につけるための習慣
営業に必要なスキルは毎日の努力によって身につくので、できるところから取り組んでいってください。
- 新しいことへの挑戦
- 読書を習慣にする
- お手本を真似する
- コミュニティを作る
- 環境を変えてみる
- 回顧の反復をする
- 約束と時間を守る
新しいことへの挑戦
本業にとらわれず、将来のために新たな挑戦をすることです。
副業をすることや資格取得の勉強をすることは、会社に依存しない考え・行動ができます。
ボクはこれまで資格勉強から始めて、今では副業のブログをして挑戦しています。
具体的には、以下です。
- ブログ運営
- プログラミング
- 家電せどり
- 資格勉強
- アルバイト
これらは全てボクが経験していることです。ブログとプログラミングは今現在進行中です。
せどりは家電の利益率はありますが、作業量が多かったのでやめました。でも、利益は残るので作業しても苦にならない人にはオススメかなと。
資格勉強は簿記を取りましたが、営業で経営の利益に関する知識が必要な時には役に立ってます。実務的に使える資格があれば、勉強しても良いと思います。
アルバイトは土日休みがある人は、土曜日にすれば稼げて人脈も広がります。ボクは不用品回収をしていましたが、これもできれば本業に近い業種のアルバイトが望ましいですね。
読書を習慣にする
読書から得られるものは無限です。
向上心のある人は、必ず読書をしています。
読書からは、語彙力や知識の積み上げと心の安定を得られます。
本を読むためのポイントは、こんな感じです。
- 有名な著者を選ぶ
- 毎日〇〇分読む
- お金を惜しまない
本を選ぶ時のポイントは、タイトルやその時の思いつきよりも有名な著者の本を読むべきです。その方が継続的に読めます。営業であれば、マーケティングの本は必読ですね。
読む習慣を作るには、最低毎日10~15分と決める。集中力が持続するのは、15分くらいなので。
読書は自分への投資なので、お金を惜しまずに買い続けましょう。
お手本を真似する
営業がデキる先輩の真似をすることから始めてみましょう。
営業がデキる人は管理能力・観察力・清潔感などを備えていて、最短でスキルが身につくから。
一番手っ取り早い方法ですね。ボクもやっていました。
真似をするポイントは、以下ですね。
- 尊敬できる先輩
- 良い点だけ盗む
- 時間を奪わない
真似する以上は、仕事だけできるではなく人間的にも自分が認められる人の方が後々自分にとっても良いです。
また、良い点だけを盗む(真似する)ことは言うまでもありませんね。
ここは重要なところですが、真似をする人にすぐに質問したり業務を妨害するようなことをしてはいけません。自分でやってみてどうしても聞きたい時だけ、相手を優先して教えてもらうようにしましょう。
コミュニティを作る
自らコミュニティを作って、情報発信やイベントを提案してみる。
積極的なコミュニケーションは先手となり、どう話せば・聞けばよいのかがわかるからオススメです。
これはちょっとハードルが高いかもですが、簡単な話、自分発信=能動的なことができるかどうかです。
ボクのやっていることは、兄弟や友人の間でLINEグループを作ってイベントを提案している程度ですが、こういう人とはどう接すればよいかなどを考える時間になります。
あなたなりのコミュニケーションの取り方と工夫をしてみることをオススメします。
環境を変えてみる
休日は、平日と違う環境に身を置いてみる
柔軟な対応や発想ができる人は、その場に応じた順応性があります。
休日の過ごし方に毎週変化を加えるだけで、新しい発見になり勉強になりますよ。
ボクがやっていること
- 懐かしい人へ連絡
- 初めての場所に行く
- 買い物で挑戦する
たまにLINEなどで懐かしい人と連絡を取って、近況を聞いて刺激を受けています。
出かける時に初めての場所に行くことと、交通手段もいつも車なら電車やバスを使ったり、同じ車でもいつもの道と変えたり。
買い物は手っ取り早いですね。今はネットで買えるので、欲しいもので挑戦してみると失敗を経験でき、どこに気を付ければいいか学習できます。
変化を楽しむことで、柔軟な発想が生まれてきます。
回顧の反復をする
何が良くて、ダメだったのかを振り返る癖をつけることです。
PDCAサイクルの重要性を知り、提案力と行動力に磨きがかかります。
PDCA(Plan/Do/Check/Action)サイクルは、営業にとって切っても切り離せないものです。
PDCAの中で意識すべきは、DCAでありP(計画)は計画倒れということも起こりかねないので随時修正すればよいです。計画倒れになると、モチベーションも下がりますからね。
そして、一番重要なところはA(改善)です。少しでも改善できているか、ここを押さえるべきポイントとして取り組みましょう。
約束と時間を守る
公私ともに、相手との約束や時間を守りましょう。
当たり前のことができるかで、信頼は積み重なり相手にも誠実だと思われます。
約束と時間を守るメリット
- 自己管理できる
- 信頼が定着する
- 主導権を守れる
約束事は当然ですが、時間を守れると自己管理能力も高まりますね。
信頼とは積み重ねなので、それが続けばあなたの人物像は出来上がります(逆もしかりです)。
約束や時間を守っていないと、後ろめたいところがあるので不利になることも。。
フェアでいるには、自分を律することが大切です。
ちなみに約束ですが、これは相手の話を真面目に聞いているかどうかを試されているところなので、「これは約束かな」と感じた時には聞き返すようにしましょう。
よくある質問:本当に営業職を経験しておくべきか
一度は営業職を経験しておくべきです。
営業をしておくと、自分の適性がわかるから。
ボクはもうすぐ20年ほどになりますが、営業職を選んで良かったと思っています。
営業職を選ぶメリット
- 色んな人に出会える
- 色んな場所に行ける
- 収入を上げられる
ボクにとって営業職を選ぶ一番の理由は、色々な人に出会えるから。その次に、色々な場所に行けるから。
理由はシンプルですが、色んな人に出会い、場所に行けることは経験値が上がります。経験値が上がれば営業マンとしてのスキルが上がり、持っている情報を誰かに教えてあげることもできます。
営業には向き不向きがあると言いますが、ボクは成長意欲さえあれば実績を上げて収入も上げられるので、比較的ハードルの低い職業だと思っています。
それでも、人によって育ってきた環境が違うので、営業をやってみて違うと感じれば違う職種に就くのも全然アリなので、一度は経験してみて判断材料にしてみてはどうでしょうか。
自分が営業職に向いている人かどうかを、チェックするための記事も書きました。
【誰でもできる】営業職に向いている人の特徴10選【実践&習慣編】
まとめ:お客さんあっての商売を忘れない
色々と論理的に挙げてきましたが、営業マンにとって最も重要なことは「お客さんあっての商売」であることを忘れてはいけないということです。
お客さんの喜びが自分の喜びとなれる人は営業マンとしての適性を備えています。
単純な話、普段から利他の精神を持つことが結果的に自分の利益として残ります(道理に合わないことや、理不尽なことに対してまで合わせる必要はありませんが…)。
自分の成績のことばかり考えている人は自然と淘汰されますので、「返報性の原理」を掲げていればあなたも必然的にデキる営業マンになっています。
今回は以上となります。
営業に関する記事は、こちらをどうぞ。
【経験談】ルート営業がきつい本当の理由5つを公開【失敗談あり】